すむシェフのウエブログ


by sumuchef

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たまには仕事のこと。

先月5月のクッキングクラスのメニューです。
上からカポナータ、カルボナーラ、白ゴマのブランマンジェ。

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毎月、「何作るか?」が決まるまでが一番頭を悩ませます。予算、時間、全体のバランス、そして季節感。出して、引っ込めて、あーでもない。こーでもない。作りたくても、ここでは入手しにくい食材があったり、前菜と主菜が決まっても、デザートとのバランスがどうしてもしっくりこなくて、ぜーんぶ白紙に戻して。なんてこともしょっちゅう。

不思議なことに、いいアイデアは膨大なレシピの山に座って格闘しているときよりも、娘を学校に送った後の、大好きなSM●Pを大音量で聞いて、悦に浸ってる車の中でだったりします。

メニューが決まると、試作。
頭の中にしかレシピがない場合は、ひとつひとつの行程を順序だてて文章にしていく作業から。大枠を書き留めてから、細かい順番とか、こだわりのポイントをどこに埋め込んでいくか。を実際に作りながら編集していきます。
元になるレシピがある場合も、まずはその通りにやってみると、意外とひっかかるところがあったりします。何故、ここで塩胡椒なのか。の必然性がよくわからなかったり、弱火から中火、強火にしていく過程が抜けてる(けど気になる)とか。
それと、5年前、イタリアで料理修行をしたときに手に入れたレシピたち。トマトソースがついたり、書いてあるメモが英語だったり、日本語だったり、イタリア語だったり、言葉が追いつかず、イラストになっていたり。。。と思い出がたくさん詰まった、私の宝物ではあるんだけど、実はイタリア語のレシピはものすごくWORDY(言葉数が多くて、冗長的)。要するに。で括るとプロセスにして3つくらいなのに、10行くらいの文章になっていたりする。さすが芸術の国。飾り言葉(形容詞、副詞の類)が多いのよねえ。

ゼラチンのプラスマイナス1g。鍋に蓋をするか否か。それによって出来・不出来がどれほど左右されるか。できるだけ、シンプルに。わかりやすく。絶対手抜きしちゃいけない大事なところ、ちょっとくらい外しても大丈夫なところ。足したり、引いたり、書き直したり。そうやって、このクラスのためのオリジナルレシピが出来上がっていく。

料理学校じゃないから、難しいテクニックをマスターすることより、楽しく作って、おいしく食べて、ああ、おうちでもう一回作ろう!って思ってもらえることが何より大事だと思ってる。

こうして5月のメニューたちも、無事、産声をあげ、私の手元を離れていろんな人たちのところに旅立っていきました。

おいしい顔を見るのが好き。食べることが好き。な人が好き。おいしいことに、一生懸命な人が好き。

さ。今月もがんばりましょう♪
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by sumuchef | 2008-06-24 12:09

トモダチ

おとなになったら、友達をつくるのはとたんにむずかしくなる。働いている女が、子供を育てている女となかよくなったり、家事に追われている女が、未だ恋愛をしている女の悩みを聞いたりするのはむずかしい。高校生のころはかんたんだった。いっしょに学校を出て、甘いものを食べて、いつかわからない将来の話をしているだけで満たされた。けれど私は思うのだ。あのころのような全身で信じられる女友達を必要なのは、大人になった今なのに。と。(角田光代 『対岸の彼女』のあとがきより)

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他人に自分の本棚を見られるのは、個人的には、ワードロープを見られるより、すっぴんを見られるより恥ずかしい。好きな食べ物は誰にでも、ためらいなく言えるけど、好きな作家、好きな著書、なんていうのは、初対面の人にはたぶん、、、言わないんじゃないかな。だって、そこには私の『個』みたいなものが透けて見えているような気がするから。

だから、こんなかたちで自分の読んだモノを紹介するのは、ちょこっと勇気がいるのだけれど、なんだろう。このメッセージに思い切りココロの琴線が共鳴してしまったんだよね。

まもなく3歳になる娘は、限りなく100%近くママとパパ(つまり私と夫)に身も心も預けているわけだけど、親元を離れて、自活して、新しい家族を持って、その上、生まれ、育った国を離れた今の自分は。と言うと、親よりもずっと「トモダチ」のほうが、私を理解(し)ってくれてる。もっと正直に書くと、今の私が考えたり、悩んだりしていることの中には、親には知られたくないこと、知らなくていいと思うこともいっぱいある。いつか娘もそういう日が来るんだよなぁ。と思うと、むちゃくちゃ寂しくなっちゃうけど、でもそれがある意味当たり前で、やっぱり娘には、そういうトモダチがまわりにいてくれる人生であることを願ったりします。

全身で信じられる女友達。うーん。究極だなぁ。

この続きはまた。
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by sumuchef | 2008-06-06 13:26